実施区間:(往路)大阪~芦屋 (復路)芦屋~尼崎~御幣島
当会関西本部では、去る8月22日の夜、非協力乗車会を行いました。
今回は、大阪駅からJR神戸線で芦屋まで行き、そこでいったん下車した後、尼崎まで引き返し、そこからJR東西線北新地を目指すルートとしました。
途中、芦屋まで行き、そこから尼崎まで引き返したところまでは特に何事もなかったのですが、尼崎駅から先、大荒れの展開となりました。
以下、当日参加の会員からの報告です。
JR西日本の暴挙、許すまじ!!
20分近くにわたって電車を止め、しつこく移動を要求。メンバーの腕掴む
大阪~芦屋
今回はJR大阪駅に20:00集合。
駅の案内表示を見ると、どうやら神戸市内の塩屋駅付近の踏切で自転車と電車の接触事故があったようで、ダイヤが少し遅れているようだった(下の左写真)。
しかし、大した影響はないようで、大阪駅に到着の列車はほぼ定刻に近い時刻で運行していた。
右側の写真は、メンバーが揃うのを待っている間に撮影した大阪駅のホームの専用車乗車位置付近の映像だが、上の写真に写っている範囲だけで、女性専用車乗車位置目標が14枚も写っている(5・6番ホーム全体ではこの倍以上になるだろう)大きなものだけでなく、小さなものもすべて「女性専用車」の表記がなされた乗車位置目標である。
他の鉄道会社では見られないような、JR西日本の「ぶっ飛びぶり」をよく表している光景だが、この写真を他の地域(札幌)の会員に見せたところ、「これは(画像編集などではなく)本当ですか?」 と聞き返されたほどである。
もちろん、大阪駅をご利用の方ならご存知かと思うが、これは本当の光景である。
集合時刻までに全員そろったので、20:05発西明石行普通に乗車。
ラッシュ時であるが、車内は立ち客が多いものの、押し合いへし合いするほどではなく、若干の余裕がある。
特に何事もなく、塚本・尼崎・立花・甲子園口と過ぎていった。
列車が西宮駅に到着すると、なぜか本来は西宮駅に停まらないはずの特急スーパーはくとが、乗客を乗せた状態でホームに停まっていた。
そして西宮を出て、列車は2駅先の芦屋駅に到着、私達はここで予定通りいったん下車した。
芦屋~尼崎
芦屋に着くと、人身事故の案内放送があり、駅の表示機にも大久保~西明石駅間で人身事故発生の字幕が流れていた。
その影響で、JR神戸線は今、私達がいる芦屋駅から先、列車の運行が止まっているとのこと。
なるほど、さっき西宮駅でスーパーはくとが停まっていたのはそういうわけかと納得。
しかしこの事故、どうやら先ほど大阪駅の案内表示機で見た、塩屋駅付近での事故とはまた別件のようである。
どういうわけかJR西日本は本当に事故やその他の理由による遅延が多い。
事故は踏切などがある関係上、ある程度仕方ない部分もあるが、女性専用車に力を入れるより、こうした事故・遅延防止策にその分もっと力を入れたほうがよほど利用客の評判は良くなると思うが・・・
さて、ダイヤは乱れていたが、芦屋から東(大阪方面)は電車が動いているようだったので、私達はいったん改札を出て、大阪方面に引き返すことにした。
女性専用車も中止せず、継続しているようだったので、ホームに停まっていた普通列車に乗ることにした。
他の鉄道事業者ならたぶん中止していた状況だが、JR西日本は、どんな状況でも可能な限り女性専用車は中止しないようにしているようなふしがある。
JR西日本と同じく、女性専用車を土日も含め、毎日完全終日実施している神戸市営地下鉄については、ダイヤ乱れ時や沿線イベント時など、混雑が予想されるような場合のみ特別に解除するなどしており、これについては過去、当会でも「痴漢対策というのなら、終日実施しながら混雑時だけ特別に解除するのは本末転倒。本当に痴漢対策なのか?」 と、批判してきた。
しかし、JR西日本が混雑時やダイヤ乱れ時も解除せず、一応、痴漢対策としてのスジを通しているのかというと、答えは「否」であろう。
当会が過去何度も指摘しているように、JR西日本の女性専用車は、主に女性客を引き付けるための「ウリ」であって、痴漢対策とは到底思えない代物だからだ。
大体、JR西日本が本気で痴漢対策に取り組むのであれば、痴漢でない男性客を事実上排除する車両を作る前に、まずは自らの組織内で、社員による痴漢やスカート内盗撮などの不祥事が後を絶たない現実を直視するべきであろう。
言い換えれば、JR西日本がどのような姿勢で女性専用車を積極的に実施・運行しているか、こういうところからも伺い知れようというものである。
なお、最近になって当会サイトの存在に気付いた方など、「JR西日本の女性専用車が痴漢対策ではないなどとは、にわかに信じがたい」 という人は、当会の過去の活動報告などもあわせてよく読んでいただければ幸いである。
- JR西日本の女性専用車終日化に物申す(JR西日本が女性専用車を終日化した理由のおかしさなどを、グラフを交えて解説)
- 2012年6月 関西本部:JR西日本線 非協力乗車会の報告(主に後半部分で、JR西日本が女性専用車を「ウリ」にしていることなどを紹介)
- 2014年2月 関西本部:JR西日本線 非協力乗車会の報告(主に後半部分で、JR西日本が「痴漢対策」と称して実は女性専用車を広告料収入源にしていることなどを紹介)
・・・さて、列車内はラッシュと逆方向のためか、空席も目立ち、空いている。
再び通りかかった西宮駅では、先ほどのスーパーはくとがまだ停まっていた。
甲子園口・立花と過ぎ、こちらでも特に何事もなく、尼崎到着。
尼崎からJR東西線の列車に乗り換えた。
尼崎~加島
尼崎の駅で、降りたホームの向かい側に発車時間待ちで停まっていたJR東西線の電車に乗車しようとすると、何処からともなく「おい!わかってんのか!女性専用車やぞ!」と、何者かが私達にヤジを飛ばしてきた。
構わず乗車したが、今度は近くの席に座っていた子連れの女性客が「ここ女性専用車ですけど・・・」と文句を言ってきた。
これに当会メンバーが応戦し、車内は「論戦」の場に・・・
こちらから、「女性専用は名前だけ、法的根拠は無い」「JRに問い合わせても任意協力だと認める」という趣旨のことを伝えても納得せず、「マナー」だの何だのと、稚拙な論理を振りかざしてきた。
ちなみに、女性専用車が「マナー」などというのは、反対派から「女性専用車両に法的根拠はない」と言われて、法律を自分たちの論理(=女性専用車なのだから男は一切立ち入らないのが当然)の補強に使えないと分かった専用車両賛成派が、何とか自論を正当化しようとして、法律の代わりに持ってくる「口実」である。
そもそも「マナー」というもの自体、法律と違って正式な根拠の無いものであり、自分の都合でいくらでも「勝手に作る」ことが出来てしまう。
その気になれば、女性専用車両反対派が、「任意協力の女性専用車から男性を排除しないのがマナー」などと、賛成派の言うマナーとは逆の「マナー」を勝手に作り、主張することだって、やろうと思えば簡単に出来てしまうのだ。
そのくらい「女性専用車両=マナー論」はいい加減なものなのである。
また、当然ながら優先順位で行けば、「法律>マナー」である。公共の場から男性を「男性である」というだけで排除するのであれば、こちらの方が法的にも問題になりかねないことであり、そんなものをマナーと称して正当化することはできない。
やがて、電車は尼崎駅を発車。電車発車後も「論戦」は続いたが、結局、その女性客が、「たくさんいるから乗るんでしょう。一人でも乗れるんですか、乗れないんでしょう?」等と言いだしたので、当会の山尾関西本部長が、
「私は一人でも毎日乗車しています。いかなる理由があろうと差別に屈するつもりはありません!!」
と、その女性客に強く詰め寄ったところ、次の加島駅でその女性客は降りていった。
加島~御幣島
列車は加島駅を発車。
どうやら先の女性客、女性専用車についての正しい知識を全く持っていなかったようだ。
しかし、JRが「女性専用車」という、強制力があるかのような表記をしたうえ、問い合わせないと「任意」であることを明かさないのだから、こういう女性客が出てきても無理はない。
・・・一旦は静まったかに思えたが、次の御幣島(みてじま)駅で今度はJRの職員が集団で乗り込んできた。どうやら先の女性客が加島駅でJR職員に告げ口したようである。
JR職員:女性専用車になりますけども・・・
会員:分かっています。任意協力でしょう?
JR職員:任意協力ですけども、女性専用車なんですよ。
会員:知ってます。(任意協力である以上)何か問題ありますか?
JR職員:(男性がいると)他のお客様のご迷惑になります。(←車内喫煙や携帯通話ならともかく、これでは「男性の存在自体が迷惑」と言っているようなもの。「男性」を「黒人」に置き換えてみれば、この発言のとんでもなさがよくわかる)
もちろん、そんなことで「ハイ降ります」などという私達ではない。
ここで言うことに従えば、「ご理解いただいて降車していただいたので、強制はしていないし、一切問題ありません」 などととぼけてくるのは分かっている。
会員たちも座席から立ち上がり、JR職員たちに徹底的に抗議。
会員:ここは男性は乗れないんですか?
JR職員:他の車両に移って下さい。
会員:これって法的根拠あるの?
女性客:あの、電車を早く進めてください・・・(←この女性客からは、その後も「この人たちが乗っていることより、電車が止まっていることのほうが迷惑なので、電車を進めてください」と何度も申し入れがあったが、JR側は構わず、何が何でも私達を排除しようとしてきた)
女性客からも、男性が乗っていることより電車が止まることのほうが迷惑だという声が上がっているのだから、ここは「任意協力」であることをJR自身も認めている女性専用車(と、名の付くただの一般車両)から私達を無理やり排除しようとするより、電車を進めたほうが良いということぐらい分かりそうなものだが・・・恐らく、上から「男性を必ず排除して来い」という指示でも受けていたのであろう。
もちろん、電車を止めているのはJRであり、私達ではない。
法律やJRの約款に「男性乗車禁止」の規定があるのであれば、規定に従わない私達が悪いことになるが、先にも書いた通りJR自身も任意協力であることは認めている。
だから、男性が乗っていても、それだけでは何も問題はないはずである。
(鉄道営業法34条2項は、現代の女性専用車両には適用されない)
任意協力に過ぎないものを、事実上強制しようとして、「降りてください」「他の車両に移ってください」と、電車を止めてまでひたすら言い続けて、女性客から「そんなことより電車を早く進めてください」 と言われているのだから、どちらが悪いかは一目瞭然である。
こんな感じで、JR職員たちは約20分近くにわたって、ひたすら私達に「降りて下さい」「他の車両に移ってください」と言いつづけ、さらには、「降りないなら警察に通報することになります」などと言ってきた。
しかし、そんなことで動じる私達ではない。
警察とて、何も法に反していない私達を強制排除したり、ましてや逮捕したりすることなど出来ないということは分かっているからだ。
つまりは、「ただの脅し」である。
もちろん私達はそれに対し、絶対に降りないという姿勢をとり続けた。
しかし、JR職員たちはそれで諦めるどころか、今度はメンバーたちの腕を掴んで強制排除しようとしてきたのである。
これは、刑法208条の「暴行罪」に該当する犯罪行為である。
そこで当会から警察に通報。
被害届を出すために降車し、警察の到着を待つことにした。
ほどなくして西淀川署の警官数名が到着、私たちはその場で事情を話したが、「ここでは何なので・・・」ということで、駅近くの西淀川署まで行くことになり、参加メンバーのうち、JRの職員から腕を引っ張られた4名が西淀川署で事情聴取を受け、被害届を提出した。
そして警察からの回答を待つことになった。
(※2014年11月現在、まだ西淀川署からの回答はありません。今回の乗車会については、警察からの回答を受けてから、それも含めて掲載しようと考えていましたが、3か月待っても警察からの回答がないため、ここでHP上に公開させていただくことにしました)