2015年12月 名古屋市交通局訪問の報告

当会名古屋地区メンバーが、2015年12月17日、名古屋市交通局を訪問して抗議を行いました。

訪問前に東山線で任意確認乗車を行った(特に何事もなし)後、交通局で抗議を行いましたが、前回4月に訪問した時とは異なり、「任意協力」を盾に逃げを打ったり、(公明党の意向で推進されているのが見え見えなのに)「女性を守るため、痴漢対策のため必要」と言い張るなど、かなり対応が悪質でした。

なお、この訪問の時点ではまだ、「名城線・名港線への拡大」は発表されていませんでしたが、恐らく交通局内部ではすでに決まっていたのでしょう。

今回の訪問後、ほどなくして名城線・名港線への拡大が発表されました。


名古屋地区メンバーが、名古屋市交通局に申し入れ

交通局は反対意見に耳を傾ける気なし

名古屋地区メンバーで、交通局を訪問

今回の訪問は、2015年9月、名古屋市交通局がパブリックコメントを募集した際、東山線以外への女性専用車両の拡大を匂わせるようなことをコメントしていたため、行ったものである。

当会からは、名古屋地区会員のN氏とK氏、関東本部のC氏。

交通局側は、運輸課のY氏・広報広聴課のT氏と、運輸課のH係長が対応した。

●最初に双方が自己紹介して挨拶、そのあと交通局のT氏より「パブリックコメントに関する冊子を見られて・・ということと、その他女性専用車両に色々とご意見があられるということで、そちらの方も今回お聞きするということで宜しくお願いいたします」と促される。

●最初に名古屋会員N氏から「反対する会」としての女性専用車両への考え方を簡単に伝える。

以下、それ以降のやり取りである。

「任意の協力だから問題ない」のか?

名古屋地区会員K(以下、会員K):本人の意思ではどうにも出来ないようなことを理由として(性別)人を隔離するような施策は、私たちとしては好ましくないという考えです

名古屋地区会員N(以下、会員N):あの、これ(女性専用車両)に似たというか、アパルトヘイトを皆さんもご存知だと思いますけれども、昔アメリカですとか、アフリカですね、黒人の方を隔離すると、例えばバスの中で黒人席と白人席を分けるとか、レストランでも席を分ける、あるいは白人専用のエリアを作って、黒人の人は犯罪率が高くて危険だから白人を守らなればいけないということで、そういった事が世間にも受け入れられていたので、あったと思うんですけれど今ではそういったことは絶対NGですし、ニュースで話題になりましたけれども”JAPANESE ONLY”という、誰かふざけてやったと思うんですけれども、ああいったことに関してもすごくバッシングを受けてますので、そういった部分からも女性専用車両という発想自体が、時代錯誤というふうに私たちは受け止めています。

会員K:やはり痴漢対策ということで導入されているんですけれど、女性たちを隔離するような方法よりも他の選択が出来るのではないかと思うんですね。

私たちは女性専用車両の○○の目的というのは、痴漢対策ではなく、一部政党、名前を挙げれば公明党ですとか、そのようなところの、導入そのものが目的である、要は実績作りが目標であるという風に考えておりまして、このような事が、まあ、ある政党が地下鉄東山線に女性専用車両を導入しました、とかいう風に実績作りを挙げて、次の当選のためにという動きが一部あるんですね。

で、そのことは一部の議員の当落のために、多くの人の人権を侵害しているものではないかというふうに考えております。

で、女性専用車両がもし痴漢対策ということで実施されているようであれば、全てのその属性の人を隔離するということではなくて、もう少し出来ることがないかと考えているのですね。

で、一つの方法としては防犯カメラが有ります。主な導入事例で言いますと、東京と埼玉を結ぶJR埼京線・この路線は10両編成ですがそのうち最も痴漢の件数が多かった1両にカメラを設置したところ大幅に件数が減ったということがございます。

※ここで会員Nが埼京線の防犯カメラに関するニュース記事の資料を交通局のY氏に渡そうとしたが、「承知しております」と面倒くさそうな顔をして受け取らなかった。

会員K:費用は・・Nさん資料ありますか?

※埼京線の防犯カメラの設置費用に関する資料を持っていなかったため、警察庁主催の「痴漢等防止に関わる研究会」の資料を印刷したものを交通局のT氏へ手渡す。

これは関東地区の方にMLで教えていただいたもので、車内防犯カメラの設置例を4通りに分けて紹介している。費用についても初期費用が示されている。

会員N:こちらの資料は少し前ですけれども、警察庁が主催した痴漢等防止に係る研究会の中で、防犯カメラに関する実験というか、色々な付け方がありますよね。

それを4通りにして大体どれくらいお金がかかるかというのをまとめたやつですけれども、かなり専門的な事もありますけれども、宜しければご参考になさってください

交通局T氏:ありがとうございます。

会員K:このような方法ですとか(カメラ)他にも混雑そのものを下げるという方法が有るのではないかと思うんですね。

例えば東山線はもうすでにラッシュ時は2分間隔で運行しているので混雑を下げる余地はないと思うんですが、確か他の意見で参考になったのは東山線と桜通線、名古屋―今池間において例えば東山線経由で藤が丘から名古屋までの定期を持っている人でも例えば桜通線経由でも乗れるようにとか、他の路線に人を流すという方法によってもある程度混雑緩和は出来ると思いますし、他の路線への拡大の検討ということでも、例えば名城線は今のところ金山と大曾根の間において3分間隔だと思うんですが、それを2分間隔だとか東山線並みに本数を増やすとか、そのようなことによって混雑そのものを緩和していくという方法も考えられるのではないかと思っております。

会員N:ここまでで、色々お話しさせていただいて何かそちらからありますか?

交通局Y氏:まず、痴漢対策でということですけれども、アパルトヘイトと言われましたけれども、そこまで・・・ということではなくて、なぜやっているかというとやはり痴漢というごく一部の限られた男性だと思いますけれども、そういった事実としてはございますので、そうすると女性の方でそういった被害に遭った方が特に一人で乗れないと、そういったことを言われる方もみえますから、そういう方を安全に乗せなければいけませんので、そうすると今私どもでやっております女性専用車両ということで、まずは女性が安心して乗れる状況をつくっていくということで・・・アパルトヘイトと違うのは、あくまでも私どもといたしましてはご協力していただくということで、排除しているわけではございませんので・・・

会員K:排除しているわけではない・・?

交通局Y氏:はい。まあ例えば目の不自由な方とか、乗られようとした時にうちの職員が乗るなとかそういったことは言っておりませんから、ただあの見た目に分からないと女性の人は入ってきたということで(男性が)苦情があることはありますけれども、そのあたりはそういったご要望が有ったということで承っているだけで、こちらからは何も排除していません。

あとカメラの話ですけれども、あそこのパブリックコメントの回答にもございますように、埼京線の方でやっているというのは私ども重々知っておりますし、ご意見として設置して欲しいという要望も無いことはないですけれども、交通局の立場といたしましては、やはりカメラの設置場所とか台数にはどうしても制限がかかってきますので、そういった事と費用面を考えるとそこまで踏み込んでは難しいと考えております。

会員N:まあ、今の専用車両ですけれども、あくまでご協力をお願いしているということで、排除はしていないと言われますけれども、実際、普通は専用と書いてあれば、協力とは思いませんから、専用と書いてあれば対象となる人のみということですから、協力ということは書いてないですし、表示はもっと目立つようにあくまで協力事項ですとすべきだと思いますし、ちょっとそれは無理があるんじゃないかな。

あくまで協力だから排除はしていないというのは理解ができないなというふうに思いますね。

あと、苦情の中で女性専用車両の中に男性が乗っている場合、色々と言われたという苦情があると言われましたけれども、それも専用と書いてありますから、普通の女性客にとってみれば、専用車両に関心の有る人は協力だと知っているかもしれませんけど、大半の人は女性しか乗れないと思ってますからそういうことも起こってきますよね。

それで今日みえたC(会員)が内部疾患の障がいをお持ちなんですけれども、いかにも障がい者という方が専用車両に乗ってみえれば女性客が声をかけるということもないと思いますけれども、見た目では障がい者と分からないという男性、そういう方はやっぱり女性客がここは女性専用車両ですよと、声をかけたり、そういう事もあるでしょうから、そういう部分でバリアフリーの観点からも問題があるのではないかなと。

あと最近話題になることのあるLGBT、性的少数者ですね。

ああいった方達にとっては女性専用車両というのがどう映るのか、という部分もやはりもう少し敏感になって考えていただきたいなというふうに考えております。

会員K:先ほど、明らかに障がい者と分かる方であればという話をされていましたが、女性専用と表示されているので、中には心無い人がいて、明らかに障がいを持っている人や立っているのもつらいような高齢男性を女性乗客が追い出しているのを目撃しておりますし、あとステッカーには障がいの有る方が単独で乗れると書いていないので、私たちの最終的な目標は女性専用車両の廃止ですけれども、まずはそのようなハンデをお持ちの方々が単独でも女性専用車に乗車できることや、専用車両自体が任意であることを、是非一般の乗客の方にも分かるようにしていただきたいです。

「痴漢対策」を盾に、男性障がい者より健常者女性を優先

会員N:任意による協力です、という表示は北海道の札幌市交通局、こちらは子供と女性の安心車両という名称なのですが、乗客にそういう形でアピールをしています。

交通局Y氏:そのあたりは私どもも認識しておりますので、どういった表現にしていくというのは今後の検討課題だとは思いますが、今の段階では、そういった表示の変更にするというお約束は出来かねますので、あと、障がい者のお客様につきましては確かにご不便をおかけすることは有るんですけれども、やってる事としては女性を守るということでやっておりますので、確かに障がいの方にご不便とかはおかけしますけれども、全車両に優先席を設けておりますので、そのあたりはご理解いただきたいと思います。

あと、LGBTの方の話につきましては、そこまでの資料はございませんので、まあそういった方からの電話やメールなどのご要望は分かりにくい部分がありますから、そういった所までの踏み込んだ対策はございません。

会員K:ただ、列車内で痴漢に遭うというのは女性だけではないということが最近分かってきまして、例えば先日Yahooニュースに載っていたものですが、男性が痴漢に遭った事例が有ります。

男性が同性から身体を触られるということで、恥ずかしくとても被害を相談できないということが言われていて、最近は痴漢に遭うのは女性だけではないということです。

それで防犯カメラはプライバシーの問題も有るかと思うのですが、皆平等に車内の様子を見ることが出来るというのがメリットとしてあります。

女性専用車両ですと、特定の性別を全て排除することになるのですが、防犯カメラですと、男女年齢関わりなく、列車内を平等に見ることが出来ることから、痴漢以外でもあらゆる犯罪に対して効果的であると私たちは思っています。

会員N:いまKより男性でも痴漢には遭う危険性が有るという話が有りましたが、私には妹がいますが、妹の友人の男の子も電車で痴漢に遭ったことがあると聞いています。

結局男性を対象に調査等をしていないので、どこまでの数字なのかというのは不透明ですすが、やはり氷山の一角というか、男性も性犯罪に遭う危険性はあるということが言えると思います。

女性専用車両は男性=加害者、女性=被害者、だから女性を守らなければいけない、という考え方でやってみえると思うのですけれども、じゃあ性犯罪全体から男性をどう守るのですか、と考えると、女性専用車両では効果が非常に薄いと、やはり防犯カメラ、こちらの導入こそが効果が見込めるのではないかと思います。

交通局Y氏:男性が痴漢に遭うといったケースは私共は把握しておりませんし・・・男性が男性にということですか?

会員K・N:そうですね。女性→男性ということもあるかもしれませんが。

交通局Y氏:そういった届け出は私共、把握しておりませんのでそこは何とも言えませんし、あと痴漢遭う遭わないというのは有るかもしれませんけれども、まずは女性のお客様が安心して乗れる状況を作るということを目的にやっておりますので、実際に被害に遭ったという方と、届け出件数と隔たりがあるのかもしれませんけれども、そこはご理解いただきたいと思います。

会員N:あくまで、女性が守られればそれで良いと、そういうお考えなのでしょうか。

交通局Y氏:障がいの人はダメですと言っているわけではなくて、先ほども申し上げましたが、見た目で障がいと分かる人を私ども職員はダメだということは申し上げませんし、それは心無い女性が言う場合もあるかもしれませんけれども。

会員N:それは乗客の男性に対して辛抱してくださいということですかね?

交通局Y氏:そういったことで言われたことは無いので分かりませんけれども・・・

会員N:わざわざ電話でね、苦情を言ってくるのはよほど怒ってみえる場合ですから、よく言われるように一つの苦情の背景にはもっとたくさんの苦情があるというのもありますし、私たちにしても会に入って、わざわざ交通局さんに来ているというのは、私たちと同じように不満に思っている男性もたくさんいるはずです。

そのあたりを、前回訪問の時には慎重に考えていただくと、約束はしていないですけれども、色々とお話は聞いていただけたので、少しは理解いただけたのかと思ったのですけれども。

交通局Y氏:もちろんこういった車両が無い社会になるのがベストなのでしょうけれども、現実に痴漢被害が起きているとか、そういったことを考えると、どうしてもやっていかざるを得ない・・・

※「現実に痴漢被害が起きているから」ではなく、「市議会公明党の意向だから」どうしてもやっていかざるを得ないのでは?

会員K:必要悪という・・

交通局T氏:そういうわけではないですが、交通局として今考えて必要施策ということで。

それで費用の話になって申し訳ないですけれども、私ども交通局としてこういった経営計画を出しておりまして、その中で今後起こりえる地震災害とかですね、そういったことに対する対策をかなりしておりまして、だからといって男性の方の被害を軽んじているわけではないのですが、どうしても優先順位をつけていかなくてはならない立場としては、まずはそういった耐震補強ですとか、エレベーター・エスカレーターに次ぐバリアフリー、多額な費用がかかる所にまずは優先せざるをえないと、いうことでそういった施策をさせていただいていて、本当に資金が潤沢に有れば、確かに監視カメラを付けてやった方が効果が有るというならばですね、やることも考えられるのですけれども、申し訳ないのですけれども結局は今現在状況が厳しいですので取捨選択した上でどれかを最優先してやっていかなくてはいけませんので、そこの点はですね、ご理解いただけないのかもしれませんが、私どもとしては何もそういって意見を無視して排除しているわけではなくて、どうしても順番を付けていくとそういった結果になってしまうということですから、本当に先ほど言われていたように、女性のみを優先して障がい者を無視してなんていう考えはさらさらそういう事はない、それでそこにも書いてありますように、誰でもご安心してご利用できるようにという方針の元やっておりますので、そういったところで誤解は解いていただきたいなと思います。

それで女性専用車両に関しまして色々とかなり電話もいただきますし、反対する会の方ではないと思いますが、そうではなくて、色々なサイトを見て、自分もじゃあということで、参考にしてかけてきたり、メールとかも来るんですけれども、かなり内容的にはすごいものもあります。

ですから私どももそういったことを感じていないわけではないですから、そのあたりだけはご理解いただきたいなと思っております。

監視カメラは徹底拒否(女性専用車両の設置自体が目的で、痴漢対策は口実)

会員K:ただ、費用の問題で言いますと、今ホームドアの整備をしておりますけれど、監視カメラよりもホームドアを優先されたということですね。

あと、費用なんですけれども例えば障がいの有る男性が単独で乗れるということを知らせるためにはステッカーを追加で数枚貼れば十分でそれほど費用は掛からないと思いますし、今の女性専用車両の弊害をある程度軽減するには少ない費用出来ることがあるのではないかと私たちは考えています。

例えば、今の女性専用車両の乗車口のステッカーの所に障がいをお持ちの方は利用が出来ると一文付け加えて、貼るですとか、そのようなことはそれほど費用は掛からない事ではないかと思います。

交通局Y氏:ご意見については理解しますけれども、なかなか今、その件については難しいと思います。

会員N:専用車両は、東山線は6両ですが、その中で1両全てを女性専用にしてしまうと、どうしても他の車両が混みますよね。

そういった中で痴漢する側にしてみると、他の車両で行為に及ぶだけですから、女性専用車両によってより被害が発生し易くなる状況というのも生まれやすくなるのではないかなと思います。

交通局Y氏:そのあたりも理解はしておりますけれども、女性専用車両を作れば、そこに逃げ込んで行ければ、そこで痴漢に遭うことはまず無いということで・・・

※女性専用車両で痴漢が減らないと指摘されると、「専用車内では痴漢が起きない」と言って逃げるのは、女性専用車両を実施している鉄道事業者の常套手段。痴漢被害者のことを慮っているのではなく、女性専用車を正当化するために痴漢被害者のことを引き合いに出しているだけ。

会員N:ただやはり、根本的に女性専用車両というものを犯罪対策にすること自体が、先程と重複しますが、非常に差別的で、偏見に基づいたものだと思っていますので、専用車両しか対策がないというのは疑問に思いますね。

それで例えば、列車の車体に警察官巡回中のステッカーを貼るですとか、コンビニとかにも有りますよね。

そういったステッカーで犯罪者を牽制するとか、車内放送を頻繁に行うとか、啓発の車内放送はしているみたいですけれど、東山線の場合声が小さくて全然聞こえないですし、JRなんかはすごくはっきりした声で放送していますけれど・・・

会員K:しかし私たちは、防犯カメラなどで女性だけでなく、みんなにやさしい車両をつくるというふうに考えております。

やはり女性だけでなく多くの人を安心させることができることが出来るのは、女性専用車両ではなく防犯カメラだと思っております。

交通局Y氏:カメラについても抑止効果はあると思いますけれども、プライバシーの問題であるとか、そういった色々な課題がございますから、即座にカメラに、いくら有用だとしても、それが実現出来るとは考えておりません。

※プライバシーの問題というのなら、すでに駅構内に多数設置されている監視カメラは何なのだろうか?まあ、防犯対策に有用とかどうとかは関係なく、市議会公明党の意向で女性専用車両をやっているだけで、「防犯対策は建前」だから、こういう発言になるのだろう。

会員K:ところで、こちらのリーフレットに駅構内のカメラを増設とあるのですが、車内への設置が特別難しいという理由は、費用だけの問題ではないのでしょうか?

交通局Y氏:費用の問題もそうですし、先ほども申し上げましたけれども、どうしても場所によっては撮影が制限される所ですとか、結局設置しても痴漢が有ったかどうかということで、なかなか映っているかどうかということも分かりづらいところがございますから、そういった所も勘案して車内は難しいと考えております。

※混雑が大変激しいJR埼京線でも監視カメラで、「痴漢6割減」という結果が出ているのだから、「撮影範囲が制限される」・「混雑しているから、映らない」と言ったところで説得力ゼロ。

この後も話し合いは続くが、長くなるのと、この先も平行線の話し合いが続くだけなので、省略する。

交通局は反対意見に耳を傾ける気なし

名古屋市交通局の女性専用車両は、公明党が大変強く推進しており、政治目的に利用されているものであるということは当会が以前から指摘している通りである。当会サイトを以前からご覧頂いている方ならご存知かと思うが、当会と差別ネットワークとで、前回(2015年4月)訪問した際に対応した、名古屋市交通局の担当者O氏も、女性専用車両の導入・拡大について、「市議会での議員の発言力が非常に大きく、交通局としても従わざるを得ない」ことを認めていた。

詳しくはこちら

2015年4月 名古屋市交通局訪問の報告

今回の担当者Y氏の対応を見ていてもわかると思うが、交通局は公明党の言いなりになって女性専用車両を拡大し、それに文句が出たら、「痴漢対策ですから・・・」と言い、さらに、痴漢件数が減っていないことを指摘すると「女性専用車両に逃げ込めば、そこでは絶対に痴漢にあわないということで・・・」と、一般車両での痴漢被害を完全に度外視して、公明党の意向で設置しただけの女性専用車両を正当化。

さらに、痴漢対策として効果の高い監視カメラも、はなから拒否。

もうお分かりいただけるであろう。

交通局も痴漢対策をする気で女性専用車両を導入しているのではない。

【女性専用車両は痴漢対策とは似ても似つかない、全くの別物】なのである。

「女性専用車両は差別だと思うし、疑問には思うけど痴漢対策なのだから・・・」とお考えの方は、まず「女性専用車両=痴漢対策」という考えを捨ててほしい。

「アパルトヘイトと同様の、あってはならない差別」として、真っ向から反対してよいのだ。

【痴漢対策などただの建前】なのだから。

そして、女性専用車両を推進する勢力や鉄道事業者も、世間がこれを「痴漢対策」だと思っているのを良いことにしているのだから。

もちろん、この先いくら交通局に文句を言ったところで、交通局は公明党の言うことを聞き続けるだろうから、「文句を言うだけ」なら、この先もやり過ごされ続けるだけ(事実上無視され続けるだけ)である。

やはり、「文句を言う」だけでなく、乗車活動など他の活動と組み合わせて、根気良く行う必要があるだろう。

よく、反対派が女性専用車両に乗車する活動を行っているのを、「女性専用車両に乗り込んで、現場の職員に文句を言っても仕方ないだろう、女性専用車両をやっているのは本社(局)なのだからなぜそっちに抗議しない?そんなことも分からないのか?」などと批判する者がいるが、これは活動していない(実際のところを知らない)人間が言うことである。

実際には、当会も過去に何度も本社(局)に抗議しているが、鉄道事業者は「権力に弱い存在」であり、お偉方がどんな無茶苦茶なことを言っても、大概はお偉方の言うことに従うものである。

私達のような一般市民が何を言っても、たとえそれがどんなに正論であったとしても、鉄道事業者は基本、お偉方の言うことしか聞かないのだ。

しかし、だからといって私達のような一般市民が、お偉方に直接会って抗議出来るかといえば、これも容易ではない。

結局、私達としては鉄道事業者が、「女性専用車両が差別ではない」ことにするために、女性専用車両を任意協力にしている以上、実際に女性専用車両に何度も根気よく乗車して、「任意と言いながら事実上強制」のような運行をさせないようにすると同時に、鉄道事業者が反対派を無視できないようにするしか(今のところ)ないのだ。

しかしながら関東や関西などでは、まだ女性専用車両の廃止や縮小までには至っていないものの、女性専用車両に乗車する男性に対する鉄道員の声掛けは大きく減ってきた。

名古屋やその周辺にお住いの方で、女性専用車両を疑問に思っている方は、見ているだけでなく、是非当会の活動に参加してほしい。

2016年7月から、平日朝の名城線・名港線に女性専用車両が導入されることが決まってしまったが、公明党がごり押ししている今の状況から考えて、このままでは多分、これだけでは済まないだろう。

名古屋においても、反対派が実際に動かなければ、状況は何も変わらないのだ。

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女性専用車両に反対する会では新規入会者を随時募集しています。
当会は男女を問わず、さまざまな年齢や立場の会員が在籍しています。
女性専用車両について疑問に思っておられる方や不満に思っておられる方はぜひ当会にお越しください。

入会申し込みフォーム よりお待ちしております。

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