2020年1月 関西本部:JR線(大阪環状線&東西線&宝塚線) 非協力乗車会

当会関西本部では、1月17日に夜のJR大阪環状線・JR東西線・JR宝塚線で非協力乗車会を行いました。

このところ乗車する男性に対し、職員や警備員などからの声掛けが非常に少なくなっていたJR西日本ですが、今回はJR宝塚駅停車中に乗務員と思われる職員が私達に声をかけてきました。

また、その後JR尼崎駅で抗議を行ったのですが、声かけについては「会社からの指示である」と、はっきり認めました。

そして、毎日・終日実施していることについては「本当に痴漢対策なのか?」という意味で「女性専用車をやっている根本的な理由は何ですか」と、こちらから突っ込みましたが、これに対しては「会社からの指導で・・・」と言うだけで、まともに答えませんでした。

以下、その報告です。


JR宝塚駅で乗務員が声掛け

声掛けは会社からの指示。女性専用車を導入している理由も「会社の指示」

大阪~京橋(大阪環状線)

今回は19:25に大阪駅に集合。

私達は19:33発のJR大阪環状線・外回り方面の普通列車の女性専用車に乗るべく並んだ。

周囲の女性客は特に何も言ってこなかったが、駅員がホームで「次の上(のぼ)り列車の前から5両目は女性専用車両です。ご理解とご協力をお願いします。」と、マイクで2回くらいアナウンスしていた。

JR大阪駅に停車中の環状外回り電車

しばらくして電車が到着。ドアが開くと乗っていた乗客の多くが降りて行ったが、その中に男性が1人混じっているのを確認。

JR西日本では土曜・休日は他の鉄道事業者が女性専用車をやっていないせいか、列車によっては女性専用車に男性の乗車が結構多いが、平日は私達以外に男性は誰も乗っていないこともよくある。

今回はこの列車以外にも男性の乗車が何人か見られ、女性専用車が「実は任意協力」であるにも関わらず、実際には強制であるかのように多くの乗客が騙されている(または、任意と分かっていても乗りにくい)状況の中、これは良い傾向である。

当サイトをいつもご覧くださっている皆様には説明するまでもないが、2020年の年明け早々にインターネットニュースやテレビのワイドショーなどで女性専用車両のことが取り上げられ、物議を醸している中、当サイトを初めて見る人などもいると思われるので敢えて説明すると、そもそもJR西日本の女性専用車は痴漢対策ではない。

マスコミはどこも「女性専用車両=痴漢対策」という前提でしか報道しないから、恐らく世間は女性専用車両のことを疑いなく痴漢対策だと信じ込んでいるだろうが、JR西日本の女性専用車の実態はそんなものではない。

混雑のない日中や土休日まで毎日・終日実施している時点ですでに痴漢対策としてはおかしいのだが、JR西日本は以前から女性専用車を売り物のように宣伝して、女性客の利用を増やそうとしたり、女性専用車だけに「女性専用車限定広告」と称して、女性向けの広告を非女性専用車よりかなり高い広告料で募集するなどして、女性専用車を営利目的に利用している。

これはJR西日本が過去に行っていた女性専用車の宣伝だが、やむを得ない痴漢対策ではなく、明らかに客寄せサービスである。

また、JR西日本の車内広告料について、JR西日本コミュニケーションズのサイトによれば

「セグメント化したターゲットに確実に訴求」
という文言からも、表向き痴漢対策とされている女性専用車が、実は美味しい広告料収入源であることが分かる。

非女性専用車広告(普通列車)は納品枚数1万200枚、1か月 116万4300円

女性専用車限定広告は納品枚数1650枚、1か月 79万円

これでは分かりにくいので広告1枚当たりの価格にすると、

非女性専用車広告 1枚当たり 約114円15銭 (116万4300÷1万200)

女性専用車限定広告 1枚当たり 約478円79銭 (79万÷1650)

となる。

女性専用車限定広告のほうが広告1枚当たりでは約4倍も割高な料金を取っているのだ。

これだけ説明すればよく分かるだろう。

JR西日本は痴漢被害者のためを思って女性専用車をやっているのではないのだ。

これは、JR西日本が女性専用車には大変熱心な一方で、社員による痴漢や盗撮が後を絶たないことからも良く分かる。

JR西日本社員が痴漢で逮捕

しかし、女性専用車両賛成・推進派は「女性専用車両は御堂筋線事件(1988年に起きた性的暴力事件)をきっかけにできた」とデマを流せば、女性専用車両を「悲惨な性犯罪から女性を守るためにつくられた正義の車両」にすることも出来るし、また反対派を「性犯罪被害への理解のなさから女性専用車両に反対する人間」と決めつけることも出来るのである。

女性専用車両が作られ、全国に広がった本当の理由は主に公明党によるごり押しの結果であり、御堂筋線事件がキッカケではない。

実際、大阪メトロ(旧:大阪市営地下鉄)御堂筋線の女性専用車両も1988年の御堂筋線事件を受けて結成された、「性犯罪を許さない女の会」が実現させたものではなく、御堂筋線事件から10年以上も経ってから、大阪市議会において井出勝子氏や小玉隆子氏を中心とする公明党議員達が強い働きかけを行った(圧力をかけた)ことによって、女性専用車両の導入を渋っていた当時の交通局長が折れる形で実現したものである。

(※なお、JR西日本は公明党云々ではなく、最初から営業戦略として女性専用車を導入したようなフシがある。しかし、いずれにしても「痴漢対策が建前」であることに変わりはない。)

当会や一部の反対派が「女性専用車両は痴漢対策を口実にしているだけで、本当はただの差別であり、本来、公共交通機関においては絶対に許されないものである」と主張しているのを「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけ」というデマを拡散することによって、無力化しようとしているのである。

そもそも公共交通機関において、人が生まれ持った本人の意思では如何ともしがたい属性(人種・性別等)を理由に、特定の人々に不利益を与えることがあってはならない。

たとえそれが犯罪対策であっても、である。

ましてや「痴漢対策」という導入理由が完全に建前と化しているのだから、もはや言語道断といって良い。

もっとも、女性専用車両賛成派の中にも「御堂筋線事件が女性専用車両のきっかけ」という情報を否定する人もいるのはいるので、全ての賛成派が「御堂筋線事件がきっかけ」だとしているわけではない。

ただ最近ではネットだけでなく、テレビ番組などでも「1988年の地下鉄御堂筋線事件で気運が高まり、2000年以降の女性専用車両導入につながった」などと紹介されたりしたので、テレビですら騙されているわけで、その影響で相当な数の人がこのデマを本気にしていると思われる。

・・・さて、私達が乗車した車内に話を戻すと、車内は立ち客が多いが押し合いへし合いするほどではない。

周囲の女性客も特に何も言ってくる様子はない。

以前だと女性客からの声掛けもかなり多かったが、やはりここ数年は「女性専用車両が専用と名乗りつつ実は任意」だということが広く知れ渡ったためか、以前ほど女性客から声がかかることはなくなった。

これも良い傾向ではあるが、敢えて乗車する男性がいなくなれば、少しずつまた元に戻っていくだろう。

だからこそ、乗車活動はこれからも根気良く続けていく必要がある。

そうこうしているうちに、特に何事もなく京橋についた。

ここで、下車してJR東西線に乗り換え。

京橋~宝塚(JR東西線・宝塚線)

JR京橋駅はJR東西線・学研都市線のホームが地上にあり、その上に大阪環状線のホームが高架で重なっている。

大阪環状線ホームから階段を降りて地上のJR東西線ホームに移動した。

JR東西線ホームの女性専用車位置に並ぶと、しばらくしてホームを歩いてきたJR職員同士が私達の並んでいる場所ですれ違い、互いに挨拶をかわしていた。

もちろん、私達が女性専用車位置に並んでいるのは分かっていたと思われるが、私達には全く声掛けはなし。

その後も時折JR職員が通りかかったが、私達に声をかけてくる者はいなかった。

どうやら近くにJR職員の控室のようなものがあるらしく、そこへの出入りで職員が次々とホームを歩いてくるようである。

結局、私達がホームで列車を待っている間に職員が5人くらい通りかかったが、それでも全く声掛けがなかったことから、並んでいた私達の間で「きっと声かけは行わない方針なのだろう」という話になった。

しかし、後述するがこの後、JR宝塚駅で乗務員に声をかけられたので、必ずしもそうとは限らないようだ。

それにしても先ほどから数分おきくらいに流れる、「この電車には女性専用車があります。ご利用のお客様は、足元の女性専用車マークの位置でお待ちください」という自動放送が気になる。

職員による声掛けが少なくなった分、自動放送で繰り返し女性専用車の存在をアピールしているのだろうか。

やがて京橋19:52発JR東西線経由、快速新三田行きが到着。

やや乗客が多かったが、京橋駅でまとまった降車があり、車内は比較的空いた状態に。

替わって私達が乗ると、目の前につり革をもって立っている男性客が一人いた。

どこから乗ってきていたのかは知らないが、京橋から先もそのまま乗車するようだ。

私達はここで二手に分かれて、車内の少し離れた場所に数人ずつ着席した。

列車は京橋駅を発車し、すぐに地下に潜る。

こちらも周囲の女性客は何も言って来なかったし、また声をかけてくるような気配もなかった。

ここまで職員や警備員からもそして女性客からも声掛けはなく、しかも大阪環状線・JR東西線共に私達以外の男性の乗車もあり、今回はなかなか良い感じであった。

この先、宝塚駅までは・・・だが

京橋からJR東西線内各駅に停まり、2014年にJR職員による強制排除事件のあった御幣島も通りかかった。

この時はJR職員が私達に腕をつかむなどの有形力を行使したため、当会から警察に通報。

結局JR職員が書類送検されたが、JR西日本の声掛けが少なくなってきたのはあの事件以降である。

それまでのJR西日本は女性客から「男性が乗車している」とクレームがあると、何が何でも男性を降ろそうとしてきたが、こうした事件を経て、今では声掛けが非常に少なくなってきているのである。

加島を過ぎ、その先で地上に上がり、しばらく走ると尼崎。

列車はここからJR宝塚線(福知山線)に入るが、今回私達は引き続き乗車。

当会のJR西日本での乗車会は「活動報告」として当サイトに出したもの以外にも何度もやっているが、実はJR宝塚線についてはここしばらく、当会としては非協力乗車していなかった。

今回、ルートにJR宝塚線を選んだのも一つにはそれが理由である。

やはり普段から乗車活動していないと、先述の通り、声掛けなどによる男性排除が復活したりする可能性があるからだ。

JR東西線内は快速も各駅に停まるが、尼崎を出るとここから本当の快速運転となる。

塚口・猪名寺を通過して伊丹に停車。

車内は若干立ち客があるが、それほどは混雑していない。

周囲の女性客は全く声掛けしてくる気配はなし。

さらに北伊丹は通過して、川西池田・中山寺と停車し、宝塚には20:32着。

宝塚~尼崎

宝塚20:54発に乗車

宝塚駅で一旦改札を出て、しばらく休憩した後、今度は宝塚20:54発の快速・同志社前行きに乗るべくホームで待っているところ。

こここでもまた、京橋駅で聞いたのと同じタイプの「この電車には女性専用車があります。ご利用のお客様は、足元の女性専用車マークの位置でお待ちください」という女性専用車の自動放送が流れていた。

また、ホームの女性専用車停車位置にちょうど合わせるかのようにベンチが設置されていた。

これは意図的にそうしているのだろうか?

宝塚駅ホームの専用車表示とベンチ

ちなみに宝塚駅ではエレベーターも女性専用車から便利な位置に設置されていた。

以前から言っていることだが、JR西日本の女性専用車は多くの駅で階段やエレベータの前など、大変便利な位置に停まる。

過去にはJR大和路線に女性専用車を導入した際に女性専用車の案内パンフレットで「天王寺駅での乗り換えに便利なよう、女性専用車を○号車に設定しました」などと記載していたこともあり、意図的に女性専用車を便利な位置に持って来ている可能性がある。

今のマスコミなどでは完全に黙殺されてしまっている問題点だが、交通弱者であるはずの高齢者や障がい者の男性を完全に蔑ろにしてしまっているのだ。
(一応、男性の障がい者は乗って良いことにしているが、「女性専用」という名前のため、障がい者であっても男性はやはり乗りにくいし、乗れば女性客に絡まれることもある)

しばらくすると反対方向(尼崎側)から列車が入ってきた。

宝塚終点の列車がここで折り返して、宝塚始発の快速・同志社前行になるのである。

折り返し列車で、しかも夕夜間のラッシュと方向が逆のため、乗る人はほとんどいない。

私達は車内の座席に今度は全員で一緒に座ったが、女性専用車に乗っているのは私達だけである。

私達が乗ってすぐ、車内を清掃員が通りかかったが、何も言ってこず。

しかしその後、ホームを歩いて通りかかった乗務員R氏が、わざわざ車内に入ってきて声かけしてきた。

乗務員R:すみません、ここ女性専用車なんですけど?

会員A:いや、分かってますよ。

乗務員R:大丈夫ですか?

会員A:大丈夫ですよ。

会員B:Rさんですか?(名札の字が、読みにくい感じだったのでそう訊いてみた)

乗務員R:いえ、違います!すみません。(と言いながら去っていった)

最近、少なくとも職員からの声掛けはほぼなくなったと思われていたJR西日本だが、ここでこんな声掛けがあるとは思わなかった。

しばらく乗車していなかったせいで声掛けが復活したのか?

それともこの乗務員R氏(本人は「Rではない」と言うが、漢字の読みからしてRとしか読めない)の個人的な判断によるものなのか。

とにもかくにも、これは尼崎駅で一旦降りて抗議しようという話になり、予定を変更。

当初はこの列車で尼崎をそのまま通り過ぎて、JR東西線の北新地で解散の予定だったが、これは尼崎で「声かけは会社の指示なのかどうかを確認しなければ」という話になった。

列車は宝塚を発車し、中山寺・川西池田を過ぎ、途中少しずつ乗車はあったもののガラガラのまま。

川西池田を発車した後、車掌が肉声で「この列車の前から3両目は終日女性専用車です。車内に女性専用者の案内ステッカーが貼ってあります、皆様のご理解ご協力をお願いします」などと、ステッカーの存在を強調した、やたらと丁寧な女性専用車アナウンスをした。

多分さっき宝塚で声をかけてきたR氏だろう。

私達が乗車しているからと、通り一遍ではなく、敢えてご丁寧な専用車アナウンスをしているのだとしたら、これはますます抗議する必要がある。

列車は伊丹を過ぎ、猪名寺・塚口を通過。

尼崎に到着すると、抗議のため私達は全員下車した。

尼崎駅で抗議

JR尼崎駅改札口

尼崎駅の改札でまずは駅員に話をしようかと思ったが、忙しそうだったので助役の方を呼んでいただくことにした。

対応したのは尼崎駅のO助役。

まずは、宝塚駅での出来事を説明した後、こちらから「女性専用車は強制ではなく任意か?」と尋ねてみた。

O助役:女性専用車両については、お客様のご協力をお願いしている部分なので、強制的には・・・

会員A:むしろ、強制は出来ないものではないですか?

O助役:そうなんですよ、法律でも何でもなくて、うちの会社が設定したものですから、男性の皆様には申し訳ないですが、ご協力くださいねという部分でお願いしているものなんですよね。

会員A:男女差別になるから強制できない・・・

O助役:私達も(男女差別になるということは)指摘されております。それでも何とかご協力いただける分には、協力いただいてということで強制は絶対にないです。

(しかし、任意であるということを言わずに「ここ女性専用です」と言われたら、たいていの男性は降りてしまうだろう。実質、騙しているも同然だが、それでも鉄道事業者は「男性が自分の意思でご協力くださったので、強制はしていません」と言えてしまう。)

会員B:(宝塚駅で)私達が乗車していましたらRという乗務員が車内に乗り込んできて直接声かけてきたんですよ。任意である以上、声かけはやめていただきたい。

O助役:それでも私共はお願いしているんで、一応声掛けはさせていただくということでご理解いただきたいんですけど・・・

会員C:そもそも見た目で人を判断して声をかけるって、失礼ではないですか?

O助役:はい、そうですね。見た目では全然、ペースメーカーなんて全く分からないですよね。
でも会社が設定しているものですから、私ども社員としては公表するしかないものですから、そこもちょっとご理解願いたい・・・
強制ではないということは言わせていただきたい・・・

会員C:そもそも専用とは「もっぱら」という意味であって、強制ではないと言うのと矛盾してませんか?

O助役:私ども社員なものですから、本当に言葉だけなんですけど、会社から社員としてお願いしてくれよということなんで、どうしてもお声掛けはせざるを得ない・・・

会員C:結局だましてますよね?

会員B:ということは、Rという乗務員が声掛けしてきたのは会社の指示ということですか?

O助役:会社の指示です。

(↑会社の指示だとはっきり認めた。)

会員A:障がい者や高齢者やけがをしている男性にも声掛けをして、任意であるということを知らせずに声掛けするわけですか?

O助役:一応声掛けはしてくれという指導は来ています。
私共も会社に言うしかないですし、お客様からもご意見としてJR西日本に言っていただくという方法もあります。
私共もお客様のお声として「女性専用車は差別ではないか」という声を会社に上げることは出来ます。

会員A:女性専用車両を設定している根本的な理由って何なんですか?

O助役:会社のほうから指導で来ているだけなんで・・・

(↑「痴漢対策」と言わないあたり、女性専用車が実際には痴漢対策から大きくかけ離れていることは認識しているのだろう)

会員B:世間では痴漢対策と思われていますけど、土日も含めて毎日終日実施したり、女性専用車両で広告料を高く取ったりとか、営利目的になっているんではないですか?
ましてや一般のサービス業と違って、公共交通機関なのですから、そういうことをやって良いものかと。

会員A:(宝塚駅で)女性専用車の位置にちょうどベンチがあって、これってどういうことなんですか。
これも女性客に対する優遇サービスになってませんか?

O助役:特に問題になっているのは階段降りてすぐのところが女性専用車になっているところが多いでしょ。
(↑どうやら、私達以外からも多数苦情が来ているらしい)

会員B:そもそも男性という、生まれ持った属性を理由にこういう不利益を与えるのっておかしくないですか?

JR尼崎駅
エスカレーターを降りた目の前が女性専用車
JR西日本の京阪神地区ではこういう駅が非常に多い。

・・・こんな感じで約20分ほど抗議を行ったが、やはりJR西日本の女性専用車は痴漢対策から外れた、ただの女性優遇サービスになっていることが伺えた。

そして、男性客に対する声掛けが会社の指示であることも分かった。

よく、女性専用車両賛成派は「女性専用車両が差別である」という意見に対して、「痴漢対策だから」・「被害者の悲惨な状況を考えればやむを得ない」などと反論してくるが、実態はこの通りである。

今年(2020年)はオリンピックの年ということもあり、「女性専用車両は国際的にも、アパルトヘイトまがいの差別であると思われかねない」という声が反対派から上がるのを予想してか、それに先回りするかのように一部マスコミが半年以上前(2019年6月)に起きた地下鉄御堂筋線での悪質な事件を、今年になってから「犯人が起訴された」として取り上げ、世間の感情に訴えかける形で「女性専用車両は必要」というメッセージを流している。

地下鉄ホームで10代少女に「暴行」…カップル装い強制性交 42歳・無職の男逮捕 1/27(月) 17:30配信

https://www.ktv.jp/news/articles/c035e060949c4aa8a7764d6ea24a7632.html(アーカイブ)

事件の概要からするに犯人の男が乗客の少女をカップルを装って車外に連れ出し、中津駅ホームの「監視カメラに映らない場所」に連れ込んで暴行したというもので、状況としては1988年の御堂筋線事件によく似ている。

しかし、良く考えたら分かるが、地下鉄御堂筋線はすでに終日女性専用車両があり、その状況で起きた事件である。

つまり、女性専用車両で事件を防げていないのである。

その記事では女性専用車両があることには触れずに、わざわざ「少女を監視カメラに映らない場所へと連れ込んで暴行した」という一文を挟むことによって遠まわしに「防犯カメラは役に立たない」と思わせようとするなど、明らかに「女性専用車両は必要」という方向に世論を誘導しようという意図がありありと見える。

女性専用車両それでも不要?御堂筋線の痴漢暴行事件で論争へ
https://news.livedoor.com/article/detail/17738118/

実際ツイッターなどでも「こういう事件があるから、女性専用車両は絶対に必要なんだ!」という意見が目につく。

だが、実際には御堂筋線には女性専用車両があるのに事件を防げていないし、そもそもホームでの暴行は女性専用車両があっても防げないし、監視カメラに映らない場所があるなら、監視カメラの増設や鉄道警察・警備員などによる警備の強化を実施すれば良い話である。

むしろ、普通の思考回路であれば、女性専用車両があったのに事件が起きてしまったのだから、女性専用車両では防犯効果がないと見て、他の防犯効果がある代替策を考えるものではないのか?

それがなぜ、あっても事件を防げなかった女性専用車両必要論に向かうのか?

防犯対策にかこつけてただ単に女性専用車両を増やそうとしているだけではないのか?

これで女性専用車両必要論を唱える人は本当は被害女性のことを女性専用車両を増やすためのダシとしか考えておらず、被害を減らそう(なくそう)などとは微塵も考えていないのではないかとすら思えてくる。

当会は防犯対策は「建前」で、男女差別でもある女性専用車両には反対だが、防犯対策自体に反対しているわけではない。

・・・尼崎での抗議を終え、私達は21:31発JR東西線経由の奈良行きに乗車。

車内はガラガラで空席が目立つ。

その後は特に何事もなく、北新地駅に到着。ここで解散した。

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