2015年4月 名古屋市営地下鉄東山線 東西合同乗車会

乗車区間:地下鉄東山線名古屋~藤が丘~高畑~栄(そのあと、地下鉄名城線で名古屋市交通局(市役所駅)へ)

2015年4月17日、前日は関西で当会関西本部メンバーとともに、JR西日本線で乗車活動を行った関東の皆さんと、当会の一部関西本部メンバー、そして名古屋地区の会員が名古屋で集まり、名古屋市交通局東山線で乗車会を行い、その後名古屋市交通局を訪問しました。

以下、当日参加したメンバーからの報告です。


4月から女性専用車両終日化の東山線で乗車活動

名古屋の地で、反対派の存在示す

名古屋に集合

大人数で盛況だった関西での東西合同乗車会から一夜明けた4月17日、今度はこの春から女性専用車両が終日化された名古屋市営地下鉄東山線での乗車会を行うため、東西のメンバーが名古屋に集まった。

今日はJR名古屋駅前の「金の時計前」(名古屋では有名な待ち合わせ場所)に、11時集合。

私達は朝から近鉄特急で名古屋入り。

関東からやってきたメンバーも、宿泊先の新大阪から新幹線でこちらに向かってくることになっている。

名古屋駅・金の時計

一足先に関西から到着した私達が、金の時計前で待っていると、一人の青年が私達に「反対する会の方ですか?」と、話しかけてきた。

名古屋地区の当会会員だが私達とは今日、初対面である。

いろいろ話をしていると、差別ネットワークのメンバーから電話があり、もう少しで到着するとのこと。

私達はもうしばらく待つことにした。

地下鉄名古屋~藤が丘

やがてドクター差別氏一行が到着。

私達とあいさつを交わし、今回初参加の名古屋の会員もドクター差別氏と「はじめまして」とあいさつを交わした。

早速、地下鉄の駅に向かおうということになり、ここは名古屋の会員が先頭を切って道案内。

地下街をしばらく歩き、東山線名古屋駅の改札前まで来た。

改札前で地下鉄一日乗車券を購入。

そのあと、例によってドクター差別氏が、改札の駅員に「女性専用車両に男性は乗れるのか?」を確認しに行った。

地下鉄一日乗車券
名古屋駅改札で、任意確認するドクター差別氏

昨日の、任意であることをすんなりと認めたJR大阪駅の駅員と異なり、この駅員はなかなか任意であることを認めようとせず、結局「担当者を呼びますので・・・」ということで、しばらく待つことに。

どうやら、名古屋ではまだ「下手に任意と答えてはいけない」空気があるようだ。

しばらくして、その駅員の上司と思われる「担当者」が到着。

ドクター差別氏が先ほどと同じように「男性も乗れるのか」と尋ねると、「まあ、ご協力頂いているということで・・・」と少々言葉は濁したものの結局、「男性も乗れる」ことは認めた。

そうと分かれば、地下鉄東山線任意確認(非協力)乗車会の始まりである。

東山線・名古屋駅の風景
ホームに貼ってある専用車乗車位置案内

一日乗車券を自動改札に通し、階段で下に降りるとすぐ東山線のホームだった。

すでに結構な人数、ホームにいる。

名古屋駅の女性専用車両乗車位置は、私達が降りた階段から少し先である。

数両分歩いて、女性専用車両乗車位置にたどり着くと、黄色い女性専用車両乗車位置の案内がホームや頭上に貼ってあったが、よく見ると「女性専用乗車口」ではなく、「女性専用乗車口」となっている。

この時は気付かなかったのだが、後で考えたら車両だけでなく、乗車口も「女性専用」と言っているようなものではないか。

当会では過去、関東の会員が東京メトロに対し、「女性専用となります」という案内は、事実に反するとして、苦情を申し立て、それを改善させたということがある。(参照記事

詳しくは上記リンク先をご覧いただきたいが、本当は男性も乗れるのに、それを「女性専用となります」と案内するのは事実に反する。

「女性専用となります」、なら一応「女性専用車」というのは単なる名前(名詞)で、「本当に女性専用というわけではない」という言い訳が出来るから、誤解を招きやすい名称ではあるものの、一応事実には反しない。

恐らく名古屋の交通局もそこまでは考えに入っていなかったのだろうが、事実に反する表記は改めていただきたいものである。

やがて12:06発、藤が丘行が到着。私達は一斉に乗車した。

平日の昼間だったが、乗車率は結構なもので、押し合いへし合いとまではいかないものの、かなり混んでいた。

名古屋の地下鉄のメインルートで小型車両の6両編成では、混雑するのも無理はない。

ラッシュ時などは混雑がさぞひどいのだろうと想像しつつ周囲を見ると、私達以外にも結構な数の男性客が乗車していた。

知らずに乗っているのか、知っていて乗っているのかは分からないが、関東・関西と違い、名古屋はまだ「任意協力」であるということが知れ渡っていない(つまり、男性は絶対に乗ってはいけないという空気がある)というイメージがあったので、少々意外だった。もちろん、終日化にされたことに気づかずに、時間外だと思って乗っているだけかもしれないが・・・

ふと見ると、女性専用車内の扉の脇あたりに、鏡が設置されているのに気が付いた。

鏡といえば、関西地区のJR西日本が女性専用車のドア部分に鏡をつけていた(現在は廃止)が、女性専用車のみに鏡を設置していたので、当会でも「女性専用車が痴漢対策と言うなら、なぜ鏡が必要なのか」・「JR西日本の女性専用車は痴漢対策ではない」等と批判してきた。

名古屋市交通局も女性専用車両のみに鏡を設置しているのかと思ったが、JR西日本とは異なり、他の車両にも同様の鏡があることを後で確認した。

東山線車内の鏡。鏡の下が広告になっている。

やがて列車は名古屋の中心部、栄に到着。

多数の乗客が下車し、若干混雑率は下がったような感じ。

その後も、駅に停まるたび少しずつ人が降りていき、星ヶ丘駅付近で車内全体が見渡せるくらいの乗車率になった。

ここでもやはり私達以外に男性客の姿が見える。

ふと隣の車両を見れば、隣の車両からこちらを怪訝な顔をして見てくる男性が一人いた。

恐らく「あいつら女性専用車に乗っているけど、いいのか?」等と思っているのだろう。

やはり、名古屋ではまだあまり「任意」であることは広く周知されていないのかもしれない。

やがて東山線は地上に上がり、温かい春の日差しが車内に差し込んできた。

朝のうちはどんより曇っていたが、私達が地下にいる間に天気が良くなってきたようだ。

今まで地下を走ってきたので、日の光が当たると何だかほっとする。

しばらく地上を走って、列車は終点、藤が丘駅に到着。

藤が丘の駅標
駅構内の風景

藤が丘~高畑

藤が丘駅のホームに降り立つと、駅員らしき人物が2人ホームにいた。

その時は特に気に留めなかったが、ドクター差別氏によると、この2人、「女性専用車内に男性が・・・」というような会話をしていたという。

乗車前に名古屋駅の改札でドクター差別氏が「男性も乗れるのか」と確認していたから様子を見に来ていたのだろうか?

私達は、ここから名古屋方向に引き返すため、反対側のホームに移動し、高畑行を待つことにした。

やがて駅構内に自動のアナウンスが流れた。

高畑行の列車がやってくることを知らせるアナウンスだ、その中で、「ただ今の時間帯、ステッカーの表示のある車両は、女性専用となります」という内容があった。

先にも述べたが、「女性専用になります」は事実に反する。

私達は藤が丘12:45発、高畑行の女性専用車両に乗車した。

車内は少し空席もあるくらいで比較的すいており、周りの女性客も私達を特に意識しているような感じではなかった。

しかし、私達は全く気付かなかったが、実はこの時、同じ車内の少し離れたところにいたドクター差別氏には、女性客から声掛けがあったという。

数駅ほど走ると列車は再び地下へ。

先に乗車していた藤が丘行と同様、こちらも車内には私達以外に男性客の姿がちらほら見える。

これまた私達は気付かなかったが、ドクター差別氏によると、車内で会話していた中年の女性客が、車内に男性がいるのを見て、「4月に(終日実施が)始まったばかりだから、まだ浸透していないのでは・・・」とかいうようなことを言っていたらしい。

私達以外で今、女性専用車両に乗車している男性客が、知らずに乗っているのかどうかは、本人達に聞いてみなければわからないが、関東や関西では、私達のような活動団体のメンバー以外にも、女性専用車両が任意であることを知って、敢えて乗車する男性がいる。

今後、名古屋でも任意であることを知った上で、女性専用車両にあえて乗車する男性が増えてくることを私達としては願うものである。

星ヶ丘駅手前で、車掌による女性専用車両アナウンスが入った。

列車が今池あたりに差しかかったあたりで、ふと両隣の車両を見ると、かなりの混雑になっていた。

こちら(専用車)はまだ車内全体が見渡せるくらいの乗車率で、明らかに混雑に差がある。

列車は再び名古屋の中心地、栄に到着。

ここからは女性専用車両も結構な乗車率となった。

先の藤が丘行でもそうだったが、やはり東山線の栄と名古屋の間は小型車両6両では混雑する。

ここでもやはり私達以外に男性客がいた。

列車は名古屋駅に到着。

ここで乗客の多くが下車し、一気に車内が見渡せるようになった。

その先も、一駅停まるごとに乗客が降りていき、本陣駅を出るころには両隣の一般車両も含めてガラガラ。

さらに進んで、岩塚駅を出ると、専用車内にはもう私達以外には、数名の女性客がいるのみとなった。

そしてそのまま、終点高畑に到着。

どうやら東山線は名古屋を境に、藤が丘方面と高畑方面で乗車率が大きく異なるようである。

これで、私達は東山線全区間(藤が丘~高畑)乗車したことになる。

高畑駅ではエレベーターの前にちょうど女性専用車が停まる。

足腰の弱った男性の高齢者や、歩行困難な障がい者にはちょっと酷というか、優先される順位がちょっとおかしいのではないかと、こういう風景を見るといつも思う。

高畑駅のエレベーター(女性専用車両の真正面)

いったん改札を出て、そろそろ昼食にしようかと思ったが、参加メンバーの中から「味噌カツが食べたい」という意見が出て、駅周辺を地図で調べたが、どうもそれらしい店が高畑近辺には(地図を見た限りでは)なさそうだった。

そこで、再び東山線の藤が丘行に乗り、栄まで乗車してそこで店を探すことにした。

今日は一日乗車券があるから、いくら乗っても運賃は同じ。

こういう時に一日乗車券は役に立つ。

高畑~栄

私達は高畑13:39発の藤が丘行に乗車した。車内はガラガラ。

次の八田駅を出たあたりで車掌が、「前から4両目、ステッカーのある車両は、ただ今の時間、女性専用車両として運行しております・・・」と、車内アナウンスを行った。

今は平日は一日中いつでも設定だから、「ただ今の時間」という一言は要らないのでは?と思ったが、まあ時間帯を区切っていたころの名残であろう。

列車は中村日赤駅に到着。

ふと見ると、隣の車両の男性客の一人が、座席から大きく身を乗り出してこちらをじろじろ見ている。

女性専用車内は私達以外に女性客がちらほらいる程度で、両隣の車両もまだ空席がある状態。

だから隣の車両からでもお互いが良く見えるが、この男性客は何なんだろう。

まあ、向こうからすれば私達のことを「何なんだろう」と思っているだろうが、これも「女性専用」という事実に反する名称が作り出す勘違いである。

私達は「女性専用車」という名前がついているだけの、「ただの一般車両」に乗っているだけなのだから。

結局この男性客は、その後も時々座席から大きく身をのり出して、こちらをじろじろと見てきていた。

先にも述べた通り、最初に名古屋駅から乗った藤が丘行の車内でも、隣の車両から私達のことを怪訝な顔をして見てくる男性客がいたが、こうしてみると、名古屋では女性客よりもむしろ男性客のほうが女性専用車に乗る男性を意識しているような感じがする。

やがて列車は名古屋駅に到着。ここまでは空いていたが、やはり名古屋からはたくさん乗ってくる。

車内は再び結構な乗車率に。男性客も何人か乗ってきた。

名古屋を出て2駅目の栄で、私達は当初予定していた通り下車した。

栄の改札口付近では自動放送の音声が何度も繰り返しひたすら、東山線の女性専用車両終日実施を伝えていた。

階段を上り外に出ると、そこは名古屋の中心市街地である。

差別ネットワークでは、差別ネットワークの半被を着て歩くことを「差別ネット歩行」というそうである。

当然、普段は関東でやっているわけだが、今日は名古屋・栄の街を差別ネット歩行して、味噌カツの店へ。

少々遅めの昼食をとった(ちなみに、半被を着た状態で昼食を取ることを「差別ネット昼食」というらしい)

栄の街並み
栄で「差別ネット歩行」

名古屋名物味噌カツで空腹を満たした私たちは、交通局に対して女性専用車両に対しての意見を伝えるなど、申し入れを行うため、名古屋市交通局のある、名古屋市役所を目指すことにした。

名古屋市交通局を訪問

名古屋市交通局のある名古屋市役所は、栄から地下鉄名城線で2駅先の、その名もずばり「市役所」駅が最寄り駅である。

地上から階段を下り、今度は東山線ではなく、名城線のホームを目指して歩く。

今のところ名古屋では女性専用車両は東山線だけだが、私達としては、名城線などほかの路線にも拡大しないことを願うものである。

このページをご覧の名古屋地区の皆様も、もし女性専用車両に疑問をお持ちならぜひ当会まで入会申し込みしてほしい。

今はまだ数少ない名古屋の会員も、仲間が増えることを望んでいる。

栄から時間はそれほどかからず、市役所駅に到着。

市役所駅はその名の通り市役所に直結しており、改札を出ると、地上に出ることなく、地下通路でそのまま市役所の地下階まで行くことができる。

階段を上って市役所1階の受付で、交通局の女性専用車両に関わる部署の場所を尋ねると、13階ということで、私達はエレベーターで13階まで行くことにした。

13階に到着。建物内の案内標識に従って、交通局の部署を訪ね、中にいた職員の方に、女性専用車両についていろいろと聞きたいことや、こちらから伝えたいことがある旨伝えると、「現在、担当者が会議中でいない」とのこと。

まあ、私達の方が突然訪問したのだからこれは致し方がない。

しかしながら、こちらの意見等を担当者に伝えてくださるとのことで、わざわざその場で話を聞く場を設けて下さった。

こちらが突然訪問したにも関わらず、親切丁寧な対応を下さったことに、深く感謝するものである。

そして、ドクター差別氏をはじめ、私達が職員の方々に挨拶をし、こちらの伝えたいことなどを述べ始めたところで、「担当者が帰ってきた」とのこと。

急遽、会議室を使用して、担当者と私たちとの話し合いの場を設けてくださった。

当然ながら、私たちは職員の皆様に深く御礼の言葉を述べ、改めて担当者の方に挨拶と簡単な自己紹介をし、そこから話し合いを開始した。

話し合いは結局、全部で約一時間半にわたり、ここで記載するには長いので、詳しい内容は別ページでの報告とする。

17時30分が交通局の終業時刻であるため、17時過ぎくらいから、参加した各自が改めてそれぞれの伝えたいことを担当者に伝え、話し合いを締めくくった。

帰り際にも私たちは担当者の方に深く御礼の言葉を述べ、市役所を後にした。

市役所駅から栄に戻り、そこから東山線で名古屋駅まで再度、女性専用車両に乗車。

ラッシュ時間帯が始まる頃ということで、車内はかなり混雑していたが、名古屋駅まで2駅乗車した。

名古屋駅で下車したあと、JR名古屋駅の金の時計前まで歩き、ここで簡単な今日一日の反省を行い、解散した。

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